地域にコワーキングがなければ作ってしまおう。コワーキングからはじまるコミュニティが面白い

この記事は、コワーキングスペース運営者限定アドベントカレンダー 9日目の記事です。VACANCY OFFICE GOTANDA小山 拓さんからバトンを受け取りました。

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みなさん、こんにちは。SPOT3責任者の山田です。アドベントカレンダーをきっかけにはじめてSPOT3やSPOT3を運営しているNPOコムラボのことを知った方もいらっしゃると思うので簡単に自己紹介を。私たちNPO法人コムラボが運営しているSPOT3は東京から2時間くらいの距離にある栃木県足利市に2012年7月オープンしました。多分、北関東初。そろそろ3年半になります。NPO法人コムラボはコワーキングスペース運営の他、地域メディアやクラウドソーシングサポート事業などを行っています。「地域xITx○○」を軸に足利で面白いことをやろうよと活動しているNPO法人です。

SPOT3でやってきたこと、何故か2回引っ越して、空間を3回作り直した経緯については、コワーキング Advent Calendar 2015 3日目の記事で書いていますのでそちらをご覧ください。

前置きが長くなりましたが、本題に移ります。この記事は地域、地方でコワーキングを運営したいなと思う方の背中を押しつつ「でも、そんなに甘くないよw」という内容を書きたいと思います。

ただ参加するのと自分で主催するのでは、得られるものがぜんぜん違う。コミュニティを主催しよう

この言葉は法政大学メディア社会学部 藤代裕之先生のインタビュー記事にあります。

私はよく言うんですが、「コミュニティを主催しよう」と。ただ参加するのと自分で主催するのでは、得られるものがぜんぜん違う。もし自分のネットワークを広げたいのであれば、コミュニティの主催者側になってつながりを広げるべきです。本当に困ったときに自分を助けてくれるのは、緩い紐帯のようなつながりだと私は思っていて、そうすると参加者のネットワークでは強度が足りない。主催者になって自分の活動を知ってもらうことで、声が掛かるチャンスがより大きくなります。(「いつもやることが10年早いって、仲間によく怒られます」 【法政大学メディア社会学科准教授 藤代 裕之さん】より一部引用)

私自身が地域に住んでいる「住民」から地域のプレイヤーに変化したのはコミュニティを主催したからだと思っています。元々コムラボはネット放送局をやっていましたが、どうも地に足をつかない感じはしました。この感じを理解したのは2012年からSPOT3をOPENさせて拠点を持ってからです。SPOT3で地域の若者の新しいつながりを作ろうと、green drinks Ashikagaや足利の色々な人交流会「夜カフェ」を開催しました。うちのメンバーが green drinks つながりで他所のイベントに参加したり、自分たちがHUBになることで他の地域のHUBとつながることができました。例えば都内のイベントへ参加したときに「地方でコワーキング使っています」と「地方でコワーキングを運営しています」では反応が全然違います。後者では「え?どこでやってるの?」「どんなことやってるの?」と色々聞いてくれるので話が弾みますし、話をきっかけにわざわざ足利まで来て頂くこともありました。

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以前のSPOT3の入り口で藤代先生たちと

法政大学の藤代先生は私たちがSPOT3をはじめなければ出会わなかった方です。去年、ゼミ合宿を足利市でやって頂き、その時に「今後も何か面白いことを一緒にできるといいですね」という話から、現在、足利市から委託事業として受けているクラウドソーシング活用講座の講師を藤代先生にお願いしています。

もし自分が住んでいる地域にコワーキングがなければ作りましょう。場を作り、イベントを開催することでハードウェア、ソフトウェア両面から地域の新しいコミュニティの主催者になれる可能性があります。コミュニティを主催し、維持することはとても大変だしコストが掛かります。でも、それをやり続けることで自分たちにかけがえのないネットワーク作りができると思います。

コミュニティを維持し続ける覚悟というか腹くくりは必要

コワーキングつながりで様々な都内、地方のコワーキングスペースにお邪魔しました。10箇所以上は行ったでしょうか。どれひとつ取っても同じようなコワーキングスペースはありませんでした。運営者の個性、構えている地域の個性でコワーキングは万華鏡のように変化すると思いました。都内の場合、コワーキングスペースで連想するようなサービスに対し投資をしてきちんと運営されているところが伸びているし、ずっと残っているという印象です。地方のコワーキングスペースは、コワーキング機能以外に「なにか」を提供しているハイブリッド型がいまも続けていられるような気がします。(あくまで山田の主観ですが)

地域に足りないものは何かを考え、コワーキングの機能に足していくことでその地域でしか作ることが出来ないコワーキングスペースが生まれると思います。コワーキング Advent Calendar 2015 3日目にも書きましたが、箱は用意するだけではダメ、どんな人に使って欲しいかをイメージし、お金を掛けて空間を作り出す。維持し続けるためのコスト、労力を惜しまないことが重要です。おすすめするのは、できる限り色々な場所のコワーキングを見学することです。注意点はなんとなく見学はNGです。「コワーキングやりたいんですー」「どんな場所でやりたいんですか?(色々詳しく聞く)」「まだ決まってないんです!」というやりとりがあったとかなかったとか・・・。ある程度自分でやりたいイメージをいくつか作ってから頭にあるものを具体的にやっている場所をリアルに感じてフィードバックを得ることが重要です。OPENするまでも大変ですが、維持していくのも頭数が少ない地方だと大変です。それでもやりたいと思う方、SPOT3へ見学へ来てくださいな。歓迎します!

明日のコワーキングスペース運営者限定アドベントカレンダーは、コワーキングスペース茅場町 Co-Edo田中弘治さんです。

この記事を書いた人

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代表理事 山田 雅俊

NPO法人コムラボ 代表理事、足利経済新聞 編集長、サードプレース「マチノテ」運営 。生業はIT系。システム開発、Web製作などIT業務の経験を生かし、地方都市における情報格差の課題解決へ向けて企業・NPO法人の両面から取り組む。