羽川文庫 VOL.1

誰が世界を変えるのか ソーシャルイノベーションはここから始まる
フランシス ウェスリー ブレンダ ツィンマーマン マイケル クイン パットン エリック ヤング
英治出版
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不確かな世界で、ただ立ち竦むのではなく、不確実性をも呑み込んで、一歩前に踏み出してみよう‼…と思わせてくれる一冊。

■書評ではない自分史的散文
レビューを書こうと思ったが、もう既に多くの方がまとめているので、私は、私自身がこの本から、何を感じ、何を考え、どう動いているのか⁈…について書いていきたいと思う。

この本とは、約4年前、友人の結婚式で横浜に行ったとき、待ち時間にふらりと立ち寄った駅中の本屋さんで出逢った。

駅前の大きな木の下のベンチに座り、風に吹かれながら、時を忘れて読み進めた。都会の青空の下、久々に凄まじい解放感を味わった…気持ち良かった。

当時の私は漠然とした理想にもれなく付いてくる、漠然とした不安の中で、夜はひとりの世界で万能感に浸り、朝は現実を突き付けれ、打ちのめされる…そんな日々を送っていた。※1
何かを変えたい‼…という思いはあるが、何をどう変えればいいのか分からない…自分の進むべき道など皆目検討が付かず途方に暮れていた。※2

そんな時に出逢ったのがこの一冊だった。この本には、世界に翻弄されながらも、自身の情熱と向き合い、思考し、動き続ける人々の姿が描かれてた。

動いてみても何も変わらないかもしれない、だけど、もしかしたら何かが動き出すかもしれない…と私は感じた。

単なる頭デッカチで、悶々としていた私は、そろそろ現実と向き合い、逃げることなく、自分の足でフィールドに降り立ち、具体的に動き出してみよう‼…この世界に打って出よう‼…何かに挑戦してみよう‼…と思った。※3

こうして、私のソーシャルアクションがむくり&始動‼したのだ。

つづく

※1
その頃、まちづくりに携わりたい、と思い地元に帰って来た私は、消防という仕事をしながら、社協主催の災害ボランティア講座に参加した有志と「災害につよい足利つくる会」という市民活動団体を立ち上げ、防災に関わる展示会や公民館などでワークショップを開催していた。

当時から防災に関わるワークショップの意義や可能性について認識しつつも、具体的に何かが変わる…という感覚が感じられず、この動きは本当に意味があるのか⁈これが俺のやるべきことなのか⁈…と悶々とした日々を送っていた。

※2
理想と現実とのギャップに立ち竦む…という表現の場合、課題が明確になっているので、何からどう手を付ければいいのか⁈…ということを考えればいいので、比較的、建設的な思考回路を発動させやすいのだが、当時はそれ以前の段階だった。

※3
この本を読んでいて、ふたりの恩師の言葉を思い出した。
「可能性への挑戦」・・・小学校の担任の先生が卒業式に、和紙に墨で綴り、額に入れて送ってくれた言葉。
「フィールドを持たない学者はただのバカだ」
・・・学生時代にお世話になった教授の言葉。彼は脳梗塞で一度倒れてからもフィールドに立ち続け、臨場感ある言葉で語り、我々学生の心に火をつける天才だった。

この記事を書いた人

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理事 増子 春香

栃木県足利市生まれ。家業である北関東唯一のラムネ製造会社である株式会社マルキョーの工場内にCfa Backyard Winery(ワイン醸造所)を立ち上げる。醸造家として日々、奮闘中。2012年、エノログ(ワイン醸造技術管理士)取得。サブカル女子、マカー。一児の母。おいしい かわいい たのしいへの好奇心が活力。