なぜマチノテを作ったのか。SPOT3を5年間運営した結論はSPOT3をやめることでした

コムラボ代表理事の山田です。この記事は、コワーキングスペース運営者限定アドベントカレンダー Advent Calendar 2017初日の記事です。

去年のアドベントカレンダーで「地域に足りないものは何かを考え、コワーキングの機能に足していく」という記事を書きました。

地域に足りないものは何かを考え、コワーキングの機能に足していく

今年の大きな動きは、2012年から5年間運営していた「コワーキングスペース SPOT3」の終了をアナウンスしたこと。新しいスペースである「マチノテ」のOPENに着手したことです。マチノテは2018年1月OPEN目標で現在ペンキ塗りなどをしています。

コムラボ新拠点「マチノテ」準備すすんでいます

SPOT3は「マチノテ別館」として引き続き、レンタルセミナースペース・イベントスペースとして運営します。ブランド名・コンセプトを変更して増床という形です。

なぜSPOT3をやめるのか

SPOT3からマチノテへシフトした大きな理由は3つあります。

1つ目に人口15万人の栃木県で四番目の規模である足利市ではコワーキングスペースは単体では成り立たないのではないか、という仮説を5年間運営して持っています。関東内陸部にある商工業都市のためフリーランスが少ないです。シェアオフィス併設に改善して続けられるようにしましたが、それも限界があります。イベントや講座に参加する人はいても、参加者の多くは会社員やパート従業員。コワーキングしないのです。南関東や政令指定都市規模であればフリーランス、新しい働き方を認める企業の方々がいますが、地方都市では市場がなく需要を創り出すことからはじめる必要があります。コワーキングスペースの看板を掲げる限り「仕事しないと行っちゃいけないでしょ?」という反応を頂くことがあり、地域のハブにはならない。SPOT3が駅前のテナントビル4階に入っているという分かりにくさもあります。路面店でないと地方の方はなかなか訪れない。

2つ目に「こういう場所に作りたかった!」という物件が見つかったからです。コムラボのミッションである「地域の新しい『やりたい・かなえたい』を共創する」を進めるために来場者を限定する機能ではなくもっと多くの人に来て欲しいと考えています。ふらりと立ち寄れる場所にしたい。コワーキングスペースと謳わずに、コワーキングスペースを運営します。カフェ形態への変更。カフェスタッフに飲食を提供するだけではなく、将来的にはシビックセンターの相談人のような役割を担ってもらいます。今回、物件オーナーの理解もあり、旧国道沿いの路面店の物件を契約することができました。JR足利駅から徒歩3分。駅から国宝「鑁阿寺」、日本遺産「足利学校」がある観光エリアへの導線上にあります。近隣に高校がいくつもあり、夕方には学校帰りの高校生が多く通ります。

3つ目に栃木県足利市という場所でコワーキングスペース・シェアオフィスを5年間運営して「これがこの地域の最適解ではないか?」という私たちのやりたいことが定まったからです。気軽に訪れることができる路面店、自動車所有率が全国有数なのでもちろん近隣に駐車場、1階をコワーキングカフェ・・・だけどコワーキングとは謳わない、2階をシェアオフィス・貸し会議室にして施設全体の収益を改善。地域のスタートアップ拠点を目指します。コムラボで運営する事業のブランド名が増えてきたため、フリーペーパー「マチノテ」と施設のブランド名を統合することにしました。コムラボのミッションを積極的に進めるブランドとして「マチノテ」を使います。

2018年1月にオープニングパーティを行う予定です。興味のある方はぜひ足利までいらしてください。東京からクルマで1時間半、電車で2時間掛からないくらいです。

次のバトンは山口県周南市でクリエイティブコワーキング「カラム」を運営してる堀江さんです。

地域に足りないものは何かを考え、コワーキングの機能に足していく

地域にコワーキングがなければ作ってしまおう。コワーキングからはじまるコミュニティが面白い

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代表理事 山田 雅俊

NPO法人コムラボ 代表理事、足利経済新聞 編集長、サードプレース「マチノテ」運営 。生業はIT系。システム開発、Web製作などIT業務の経験を生かし、地方都市における情報格差の課題解決へ向けて企業・NPO法人の両面から取り組む。